出演者の佐野功さんとは桜美林での殺陣でお会いしたのが初めてで、前回の「俺を縛れ!」を観にいくと約束しましたが、結局用事で行くことが出来ませんでした。
今回になってやっと、「十二夜」のセバスチャンとフェステを誘って観劇。関係者予約をとって吉祥寺へ。。それはもう駆け抜けるエネルギーでした。
柿喰う客は今回が初めてでしたが、ここで出会えてよかったような、もっと前に会うべきだったのかどうかといったような。
そうですね、とりあえず、演劇集団めがね2メンバーは全員観に行って損はないでしょう。
柿喰う客第十四回公演「真説・多い日も安心」
脚本演出:中屋敷法仁 吉祥寺シアターにて。
〜あらすじ〜
1つの国が革命を勝ち残って生まれた。国の名前をソフトシンデマンド。AV女優サラサーティを「始皇帝」としてあがめるAV男優達と太夫ベーション率いる国民。AVで国を治め、AVによって国民を支配する「しこしこ」始皇帝サラサーティ。国民と国の発展は永遠に続くものかと思われた。。だが、ソフトシンデマンドのAV売上率が徐々に低迷。苦しみ嘆き葛藤する中、従者の助言により、サラサーティ以外のAV女優は全員生き埋めをすることに。ここに、サラサーティの独裁が始まる。
とか適当にあらすじ書きましたが、あらすじなど必要ないでしょう。
これは観なければその衝撃はわからない。
設定は下ネタであるし、台詞も最初から最後まで下ネタではあるが、その下ネタの世界を肯定しているこのシュールリアリズム。
「on現実」という世界観は終盤、なんともはがゆい感覚を与える。
吉祥寺シアターを縦に使うのがスタンダードなのだろう。
自分自身は前回、東京デスロックの「WALTZ MACHBETH」をこの劇場で見ており、そのときの観客席の配置が非常に印象に残っていた。だから劇場構成としてあまり驚くことはなかった、というか、そのような構造は必要もなかったか。
舞台装置は蜷川幸雄のシェイクスピア演出を思わせる、鉄のようなコーティングに包まれた2m弱の大きな檻になっている踏み台に、裃地下階段と檻上につながる中央階段。
突き刺さるような照明の迫力と、ふうわりとした神聖さが、中小劇場とはおもえない迫力で迫ってくる。
場転のスムーズ度としては、話の構成上もあるが、今年一番になるであろう。練習量もかなりつまれているような動きが多く、殺陣はあの大人数をよく小さいところでこと細やかに動かしている。テンポに多少のずれはあったものの、止めてしっかりとリアクションを魅せるという「佐野さんの殺陣」はしっかりと表れていた。まずは素早さ、勢いよりも、丁寧に、華麗に、キレよく。
私的ではあるが、なんといっても注目は七味まゆ味という女優の存在感。最初から最後まで注目の的であった。とくに後半部分にいたっては、彼女がもっていった空気とあの独特のキャラクターは、素晴らしいとしかいいようがない。
38人が1人何役もこなす。それによって没個性の演出がなされている。だが、キャラクターの印象を魅せるために、そこにドラマ性を持ってくるのではなく、そのキャラクターの全身の特徴、考えられない動き、役者とは似つかわしい点を浮き上がらせるようにしている。
個性の持ったキャラクターを残し、役者の個性は排除してしまう演出が、最初と最後のシーンにリンクする。
ほーら、まとまった。もうだれがだれだかわからない。
さっき殴られたひとはどこにいますかー?
という言葉になんとも不気味な印象を観客は勝手に受けてしまう。
スピードや音楽という快楽をフルに活用する部分もあり、死を記号化させてしまうのは、一種のゲーム悩的演劇なのではないかと思った。
現代の演劇とは、いったいなにを表現し、伝えたいのか。
また深く考えるきっかけとなった。
まずパンフレットの役名に爆笑しますが、そんなに抵抗のあるお芝居ではありません。



